楽園の執事 Part3

2011 - 02/21 [Mon] - 23:44

やっぱし、ちきゅうがいちばんだな!
              ―よつばと!





【ウィッシュ=フローラ】

黒い長髪、中性的な容姿の男
非常に強大な魔法使いである

子供のような無邪気さと
大人のような冷静さを併せ持つ


【コーネ=フローラ】

芯が強く、聡明な金髪の女性
ウィッシュとは最愛の間柄

彼女は苦悩している者を
癒すことに幸せを見出す


【ルナリロ】

美しい島の私邸を守る
礼儀正しい壮年期の執事

マナーの悪い者から
美しい自然を守ろうと日々奮闘















こんな贅沢を
二人占めしてもいいのだろうか!?





透き通るような
温かい海に潜ると
そこに広がる珊瑚礁

赤と白の縞模様
小さな魚が群れをなして
いきいきと泳いでいる



水中から空を見上げると
太陽の光が反射して
幻想的な"オーロラ"がどこまでも続く





体を浮かせることも簡単で
のんびりと流れゆく雲を
見つめることもできる

水底に手を伸ばすと
おもしろい海の生き物たちが
あっちへ行ったり
こっちに行ったり





幸運なことに
ずっと遠くで
イルカたちが水面を跳んでいるのを見た

それはルナリロの家にあった
絵画よりも神秘的で美しい





ウィッシュとコーネは
この世の全てを手に入れたような
いや、それよりも大きなものを
天から授かったような
満たされた心地になった

























それだけではない

海で泳ぐのをやめて
草原のほうに行ってみると
風にのって草花の
どこか甘く切ない香りが
二人を迎えたのだ





ダンボールの上に座って
原っぱの坂を滑り降りる

時々転んでは膝を擦りむいて
傷口が血で真っ赤になって
それでよく俺の母さん<ソフィア>に
泣いているのをあやされて・・・



ミルク色の思い出に浸ると
自然と笑い出してしまう

泣き虫だったなぁって



そんなウィッシュを見て
コーネは彼が
イケないことを考えているのではないかと
白い目で見る










草原を登っていくと
小さな山になっていて
あちこちから鳥の鳴き声と
川の流れが聞こえる森があった















目をパッチリ開いたまま
木の幹にしがみついている
鮮やかな翠の可愛らしいトカゲ



とりあえず気分が良かったので
コーネがそっとトカゲをつかむ



するとトカゲは腕から肩へ
そのままお腹や背中まで
すごい速さでコーネの体中を駆け巡る



自分で招いたことなのに
コーネは慌てて
トカゲを振り払おうとする



「ウィッシュ!とって!はやく!!」



キャーキャー言って
怖がっているのか
戯れているのか


両手をパタパタさせるコーネを見て苦笑い

ウィッシュはトカゲを指でつかんで
もといた木の幹にかえしてあげた



「やぁ~怖かったぁ~!」
と裏返った声を出しながら
トカゲのようにウィッシュにしがみつく



「好かれてるね、トカゲに」

笑いながらウィッシュは言う

「あんなのに好かれても嬉しくない!」

「じゃあなんで掴んだのさ?
 食べようと思った?」

「なにそれ!私を何だと思ってるの!?」

「さぁ?可愛いなあって」と笑い飛ばして
ウィッシュは森の奥に進んで行く

半分は恨みで顔を赤らめた
コーネと一緒に










森には道らしい道は無かったが
三人は並んで歩けるだけの隙間が
どこまでも続いていた



尖った耳と猫のような目をした
小さな動物が木の上から
二人をじーっと見る





なんだろう、と疑問に思ったウィッシュは
ルナリロ著・この島のガイドブックを見ると
あれは有袋類の一種らしい

同じ有袋類のコアラよりも一回り小さい



「でも赤ちゃんをおんぶしているね」

コーネの言うように
小さな赤ちゃんがお母さんの背中にいる



「人間に馴染みやすいから
 餌を与えてみてはいかが、だって」

ウィッシュはそういうが
こんなとこまで餌を持ってくる人は
ふつういないだろう



「えさ、ないよ」

「そう?じゃあトカゲ<エサ>を・・・」

「トカゲは忘れて!」

ウィッシュはイヤらしく笑ってみせた
コーネはまたも顔を赤らめる



突然木が激しくしなって
木の上からお母さんがダイブ!

ウィッシュの胸をがっしりと抱きしめた勢いで
彼は蚊の啼くような変な悲鳴をあげながら
泥だらけの地べたに尻餅をついた!





コーネは肩を震わせて笑い出し
お母さんと赤ちゃんとウィッシュの
スリーショットを写真におさめる



おしりが濡れてどうも気持ち悪く
ウィッシュはカメラのフラッシュのなか
気の抜けた顔をしたままだった





「・・・まさか飛んでくるとは思わなかった」

「うふふ、愛されてるね」

「・・・」

























森を抜けると見晴らしのよい高台についた

そこは昼に食事とった所よりもずっと美しい





水平線の彼方と
赤い太陽が交わる

空は灼<や>けて
二人の影が伸びる










互いに顔を見つめると
肌が橙色に燃え上がっている










ときめいた

いつも二人一緒なのに



胸の奥まで
朱に染められるようだ





海を、海岸を、草原を、この山を
夕焼けは世界を
より情熱的に彩る










もし同じ光景を
街の中で見たらどう感じるのだろう





きれいだな、とは思う

でもどこか切ない

ビルや家や道路が
夕焼けに彩られても
燃え上がる命の鼓動は聴こえはしないから










なるほど、ルナリロが言ったことが
少し分かるような気がする





この夕焼けを
もっと色んな人に見せてあげたい

人が語るには
あまりにも言葉が足りなすぎる




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