flash meteor Part1

2011 - 03/14 [Mon] - 17:14

私は、自分のバスケットボール人生の中で
9000回以上のシュートに失敗した

300近いゲームに負け
26回は試合の勝敗を決めるシュートを外した

私は、人生の中で何度も何度も失敗している
そしてそれこそが私が成功する理由なのだ

―マイケル・ジョーダン













「なぁ、ソフィア」

「なに?」

「こいつの名前は俺が決める」

「どうして?」

「男だからに決まっているだろ」

「なんで男だと
 アンタが名前付けなきゃいけないの?」

「俺が男だから」

「理由になってない・・・
 別に私が決めてもいいじゃん
 アンタネーミングセンス無いんだし」



「よし!こいつの名前は―」

「あぁ!無視したな~!」

「ロアだ!」

「ロア?」

「あぁ」

「由来は?」

「咆哮だな、英語の」

「えぇ・・・なんか微妙」

「そうか?強そうじゃねぇか」

「・・・」



「いいか?こいつの教育は俺に任せろ」

「藪から棒に、一体なにさ」

「俺がこいつを強く育てる」

「別にいいけど・・・
 アンタみたいに軍隊にケンカ売ったり
 マフィアを壊滅するような
 危なっかしい子にはしないでよ?」

「だぁ~いじょうぶだって!
 そいつらに負けないくらい
 強くしてやる!」

「そういう問題じゃなくて・・・」

「よ~し!決まった!
 こいつは俺が鍛えてやる!」

「だから無視すんな!!」



































咆哮の名を受けた
フローラ家の次男



父、ロバートは男の子の出生を心から喜んだ





先に男<ウィッシュ>が一人生まれていたが
初めての子どもだということもあって
思いっきり息子とプロレスごっこ、なんて
ロバートが夢見たようにはいかなかった





ロアは三人目の子どもとなったので
先の二人のときの経験が少しは役に立ち
子育ては比較的スムーズにいった

























ある程度ロアが育った頃
ロバートの悲願は叶うことになる





ロバートは新品のグローブを息子に与えると
ボールを自分のグローブに投げ込みながら
キャッチボールに彼を誘うのだった



投げるというよりは
ロアはボールを押し出している

ぶっきらぼうに放たれたボールは
ロバートを右へ、左へ
時には天高く、あるいは川の中にまで
何度もロバートを振り回した



「パパ!かっこいい!」

ロバートがボールをキャッチすると
ロアはきらきらとした目で称賛した

「へへ、お前もパパみたいになりたいか?」

当然、息子の答えは「うん!」



ロバートはボールを捕るときの構え
左右にボールがブレたときの動きや
基礎的な体力まで丁寧に指導した

窓からそんな二人の様子を眺めては
ソフィアはクスリと笑うのであった


































ロアがまた一回り成長すると
念願のプロレスごっこをしてもよいと
ついにソフィアから許可を得た





その日の夜から
ロバートはリビングに布団や座布団など
柔らかい物を床中に敷いては
ロアを持ち上げ、枕の山に放り投げ
とどめに息子の両手と繋いで
ジャイアントスイングよろしく
ぐるぐると回るのだった



ロアも負けじと
父のスネにかじりついたり
背中によじ登り目隠ししたり
股間を思いっきり叩いてみたりと
心からそれを楽しんでいた



やがてロアが力尽きて
そのまま布団の上で横になると
ロバートもその隣で眠りについた

なんつーこったい、と
呆れた顔をしながら毛布をかけるソフィアも
朝、小鳥のさえずりが聞こえたと思ったら
ロバートは胸にソフィアが
抱きついているのを見て驚くのであった





他の子どもが
特にこの時まだ小さかった次女<ステラ>は
ロアが壁や床にぶつかる音で眠れないと
毎晩泣いたものだが・・・



































更にロアが成長すると
ロバートは彼に
他の子どもよりも徹底的に
格闘技を教えこんだ










魔法使い<ソフィア>に言わせるなら・・・



気の流れや戦士としての直感

それすらも訓練の最中で無意識に習得した
"魔力"を利用する"術"の一つの形態であるらしい



身近な例で例えるなら

一流の料理人は
無意識に料理が美味しくなるような
術を使っていると言われていたり

偉大な芸術家は
魔法使いが魔力を感じるのと同じ要領で
素晴らしい発想を無意識に感じ取る



スポーツ選手が限界を超えた能力を発揮するのも
無意識に魔法<術>を使っているからなのである



何事でも優れた能力を持つ者は
必ず優れた人格<魔力>を持つのだ










・・・つまりソフィアは
魔法の稽古の一環として
ロバートに子どもたちに
格闘技を教えるように頼んだのだ



危険を振り払えるような
護身術を覚えさせるという目的もあった










ところがロバートとロアは
いつかキャッチボールやプロレスごっこをしたように
きつい鍛錬や激しい稽古を楽しんでいた



故にロアは年の割りに
素晴らしい身体能力を持つ
アスリートに匹敵する身体を手にした





思えば、ロアが一つ成長するたびに
ロバートが嬉しさで大騒ぎしたことが
ロアがより高みを目指す原動力となったのかもしれない





暇さえあれば彼らは身体を鍛え
技術を培う日々を送っていった



































ロアが思春期にさしかかったある日
ロバートはロアに子供向けの無差別格闘競技に
出てみないかと提案した





(広義の意味での)魔法と科学を合わせて創られた
仮想空間<安全な世界>で己の体術や魔術を駆使して
相手からダウンを奪った後に
一定時間相手が立ち上がらなかったら勝利となる

重症を負うこともなく
痛みも緩和しているので
近所で名の知れたやんちゃ坊主から
子分を多数従えたガキ大将まで
気軽に参加できる人気の競技だ










まだ世間知らずで傲慢なロアは
同級生の美少女たちにもてるために
彼の存在を世間に認めてもらうために
「負けるはずねぇよ!」と拳を父とあわせて
戦いの世界にデビューするのであった




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