flash meteor Part2

2011 - 03/15 [Tue] - 14:36

負けの中に、次につながる勝ちの芽がある

―柳本晶一





【ロア=フローラ】
口が悪くイタズラ好きで高飛車な男
髪を茶に染めて肉体は引き締まっている

裏では血の滲む地道な鍛錬を重ねており
プレッシャーに弱い繊細な一面も


【ロバート=フローラ】
弱者を救うために戦い続けた男
ソフィアと同格の格闘家<魔法使い>

現在は親バカに目覚めており
フローラ四兄妹に煙たがられている















仮想空間での無差別級格闘競技





父の手ほどきを受けたロアは
圧倒的なスピードをはじめとし
子どもに似合わぬパワーと
大人顔負けのテクニックを駆使して
まず小さな大会で軽く優勝を掻っ攫った










気を良くした親子は
次に多くのアマチュアレベルの大会に出場
時にはダウンを奪われてしまい
KOの危機に陥ってしまうなど苦戦したものの
その何れでも優勝という快挙を成し遂げた










勢いに乗ったロアは
ちょうど出場資格となる年齢を満たした
最も有名な成人未満トーナメントの予選に
出場することを決意



いわゆる高校一年生にして
甲子園の予選に出場するようなものである
(野球は一人ではやれないけど・・・)



母<ソフィア>が他に優先するべきことがあると
ロアを静止したのも聞かずに
勝利を信じてロアは選手登録した








少しばかり勉強が疎かになりつつも
自身を天才だと疑わないロアは
毎日練習を重ね続けた

























・・・しかし、いざ大会に出てみると
ロアは一回戦であっけなく敗れてしまった










世の中には真の意味での天才がいる
努力せずともその道のプロに打ち勝つような
類稀なる才能をもった者がいる





特にこの大会は
武器を使用しない限りは
どのような攻撃もできる

体術から魔術まで
攻撃方法は多彩なため
必然的に個性豊かな"天才"が
大会には多く集まる





(これは"別の世界"での例えなんだけど

 どんな魔法も無効化する右手を持つ人や
 十年かかる訓練を三日で済ませる人

 生まれつき素手で米軍と対等だったりするヤツ
 
 血を吸っただけで相手の能力を吸収するヤツ

 更に嫌がる相手を"絶対遵守"させたり
 "魔眼"で見た線を切ってモノを殺したり
 概念も含めて"境界"を自由自在に操ったり
 都合の悪い時間を"消し去る"ことが可能だったり
 
 とにかくすごい人たちのことだ!)





ロアは生まれつきそのような能力は無い

ただ、父親が武術の達人で
格闘技の練習をしたり
身体を鍛えるための環境に
恵まれているだけだった

























広い世界を知らなかったロアは
かつてない屈辱を味わった





スタジアムの控え室で
一人黒いベンチに座って佇む
ロアが傷だらけの鏡に映る





蛇口からポタポタと水が落ちる
蛍光灯の音がジリジリと聞こえる










半透明のガラスを貼った
ドアを開いてロバートが入る



沈黙するロアの隣に
ロバートは何も言わずに座る










「まぐれだ、オレはあんなんじゃねぇ・・・」



抑揚の無い声でロアが呟くと
ロバートは彼に缶コーラを渡す



ロアはプルタブを開け、音をたててそれを飲む

強い炭酸が喉を刺激する

一気に半分飲み干すと
プハー、とわざと大きく息をつく





「あいつの動きは素人の動きだ
 隙だらけだしスピードも遅い
 魔法も一切使っていなかったし
 能力差を覆す頭の良さも無かった

 なのにあいつ
 オレが殴ってもビクともしなかった
 生まれつき肌が硬くて
 攻撃を受け付けねぇんだってよ

 ヘボいパンチ何回か食らっただけなのに
 鉄アレイで殴られたように痛かった
 魔法を使っているわけでもないのに
 今までの対戦相手で一番痛いパンチだった

 どんなに殴っても全然効かなかったから
 最後には判定負けしてしまった」



ワシが掴むようにコーラを片手で持ち
ロアは愚痴を垂れ流す



愚痴を垂れるたびに
対戦相手のすました顔が目の前に浮かぶ










この大会は有名なので
あらゆる世界でこの大会の中継が見れる

そのために勝利選手のインタビューは
定番となっていた





スタジアムの中央に設置された
仮想空間に接続できる二台のマシン



ロアが敗北して控え室に帰る最中に
スタジアムの中央で対戦相手の言葉がよぎる



「俺は生まれつきこの皮膚のせいで
 いじめられてコンプレックスだった

 しかし今はこの体質に感謝したい
 支えてくれたみんな、ありがとう」
なんて旨の言葉だった



観客は沸き立ち、「感動をありがとう!」なんて
口々に実況や中継番組スタッフらが叫ぶ

ここぞとばかりにハンカチを取り出し
何度も涙を拭く者もいた















「なぁ、なんであいつ無名で実績もねぇのに
 あんなに注目を浴びるんだ?

 あいつ全然トレーニングしてねぇじゃん
 認められるべきはオレだろ?

 ずるいじゃねぇか、あいつばっかり・・・」





恨み言を並べるロアは
「もういいわ」と言わんばかりに
ベンチの上で横になった





缶コーラをゴミ箱に投げ捨てるが
外してしまい床に飲み残しがこぼれる










「・・・ロア、そのままでいいから聞け」

ロバートは両手で自分の体重を支えながら
若干背を伸ばしながら話す





「サッカーでもバスケでもボクシングでも
 勝負は勝ったヤツの方が偉いんだ

 文句を言うな、なんて言わねーけど
 どんなに文句言っても
 負け犬の遠吠えにしか聞こえない」



ロアは白熱灯を眺めながら話を聞く
強い光で視界がぼやける



「あいつに文句があるんだったら
 あいつをぶっ倒してから言わねーと」



達観したような口調で
ロアに現実を突きつける



「オヤジは悔しくねぇのか?」



「・・・すっげー悔しい」



「・・・」

























数日後、ロアの気持ちが立ち直ったあと
親子は次に開催される有名な大会に向けて
再びトレーニングを始めた



悔しさと憎しみを力に変えて
ひたすらトレーニングを積んでいた




No title

特異体質・・・というのはありますよね。それはそれで対策法がある。
戦いは勝った方が称賛される…というのはどこの世の中でも同じですね。どうも、LandMでした。

才条様へ

そうなんです、戦いは勝ったほうが偉いのです(´・ω・`

例えそいつが偽善者で
努力もしないのに勝てる"特異体質"でも
戦って勝てば称賛されるのが世の常でして・・・


ですが裏を返すと
"特異体質"を"無効化"すれば
そいつはただのど素人(・∀・

続きでロアがどのようにリベンジするのか
お楽しみくださいね(^^

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