感じるままに

2011 - 06/06 [Mon] - 22:36

真理を説明するのは一言で十分ではないか?




【ウィッシュ=フローラ】

無邪気さとニヒルさの間で気ままに生きる世捨て人
催眠療法のために両性から好感を持たれる中性的な容姿をする

極限まで研ぎ澄ました色のない光<魔力>を自由自在に操り
魔力を神のように崇める独特の宗教観を持つがどこかぬけている


【コーネ=フローラ】

芯が強く、聡明で笑顔が似合う金髪の女性
人助けに喜びを感じる純粋な一方、我儘な一面も

事実上の奴隷だった彼女は、死の直前ウィッシュと出会った
幽霊となって今は彼に寄り添うように暮らしている















「まったく、野暮な奴らだ…」


疲れた顔、しかめっ面のウィッシュが
手にさげたバッグをテーブルに投げ出す

勢い余って飛び出した様々な書類には
印刷機のインクで、整然と文字が打たれている


唸り声にも似たため息をつきながら
ウィッシュは自宅のソファーに腰を下ろして
わざと尊大そうに足を組んだ

白い服に羽織った
お気に入りの黒いコートが何時になく重い





「また学会で何か言われたの?」


すぐに白いワンピースを着たコーネが
ウィッシュの隣に座る

膝の上に両手を置いて
優しく構えている





「またもなにも
 今日はいつも以上に酷かった
 俺のレポートには
 歴史と、体系的な位置付けと
 学問的な高尚さが足りないんだと」

「ヒドい言い方だね」

「あぁ、連中は文字にしたこと以外は
 一切信じない奴らだからな
 言葉にしない空白の部分や
 文脈のリズムやアクセントから生まれる
 言外に漂う"言葉にできないもの"を考えもしない
 見えないものを見るのは
 魔法使いの基本なのにな」



ウィッシュは嫌なことがあると拗ねる
すると彼の愚痴を聞いてやるため
コーネが共感してあげるのがお決まりだ


ウィッシュは非常に複雑な男だから
誰からも心中を理解されないだろう
彼自身、そう自覚している節がある


故にコーネが微笑みを湛えて頷くだけでも
ウィッシュは温かい気持ちになる




ウィッシュの話が続く

長ったらしくて、曖昧すぎて
皮肉交じりな言葉ばかりで
聞いているだけで呆れてくる内容だ




「大体、俺を英雄と考えている奴が多すぎる
 昔から、強大な魔法使いは
 神と契約したとか、悲しい過去を背負っているとか
 大げさな人生を引っさげているのが定番だ
 そして、そういう完璧人間は
 いかなる負の感情を持たないと考えられている
 だからあいつら、俺が嫌な顔しただけでも
 勝手に失望して、話が終わってしまう
 別にいいじゃないか、俺だって人間だし」

「ウィッシュ、普通の人間だもんね
 いっぱい努力した人間だけど」



「しかもさ、魔法の属性を定義しなければ
 あいつら魔法だと認めないんだよ
 学校とかで分かりやすく教えるために
 四大元素(空気・火・土・水)を用いるならまだしも
 無駄に多く属性をつける奴らが最近多い
 剣属性だとか、銀属性だとか
 ゲームのやり過ぎかって」

「ちゃんと教えないとね
 どうして属性が必要なのか、とか」



「それに俺の魔法を否定する奴らに限って
 無駄にスケールの大きい魔法を好むんだよな
 その上、大抵は魔法を戦いにしか使えない
 皆が皆そうだとは言わないけどさ
 地球の自転を遅らせ、そのエネルギーをぶつけるとか
 変に理屈をこねたところで何になるのさ」

「一歩間違えたら
 たくさんの人が危ないもんね」





このようなやり取りが三十分くらい続いた





話せることをすべて話して
ふと時計を見たウィッシュは
満足するよりも先に
自己嫌悪の念が生まれた





「はぁ…ゴメン、かなり時間使わせたね」

頭を垂れて、顔を洗うような動きを見せた


「うん、気にしないで
 これが私の仕事だから」

コーネが憂いもなく言った



「はぁ…これだけ多くの事を
 理論で固めている内は
 俺の魔法<フローラ=マジック>も
 まだまだ未熟ってことか
 説明をつかないものを
 他のものを例にあげて
 説明しようとしている」

「でもそれは
 ウィッシュの魔法が
 他のどんな魔法とも違った
 新しい魔法だってことだよ」

「…そうかな?」

「そうだよ」



ウィッシュはやっと穏やかな顔をした
単純な男だが、コーネが愛している男だ




No title

確かに学会っていうのは言葉というか文言を重視ししますよね。
理屈と根拠が大切になりますからね。
それと英雄はまた違うと思いますけどね。
研究者って言うのは奇跡のような現象でも何か理由があるはずだ。と思うのが根っからの研究者ですからね。その奇跡なような現象の理由を探れば、科学が発達すると信じ続けて今の世界が形成されていますからね。面白いものですよね。

才条 蓮様へ

もしかしたら、蓮様が仰るように
例えばニュートンが「なぜリンゴは落ちるのか?」とか
ライト兄弟が「なぜ鳥は飛べるのか?」などと言った
身近な現象、あるいは"奇跡"を追求したからこそ
今日の私たちがある遠因となったかもしれませんね(・ω・*


更に言うと、そういった研究者(英雄)に限って
下手に理屈をこねない人だと私は信じております

アインシュタインは相対性理論についてこう言いました
「好きな子といる1時間は1分のようで
 熱湯につかる1分は1時間のようだ」
うろ覚えなので実際の発言とは違いますが
分かりやすいな~って納得した記憶があります(・∀・

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