好きになってほしいから

2013 - 03/23 [Sat] - 12:44

"心"を持たないおてつだい人形は、どのようにすれば一流人形作家に振り向いてもらえるのでしょうか?

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 ありったけのリンゴがつまったアップルパイ。フォークがのせられた皿の縁には、生クリームとバニラがそえられています。
 それを運んでいるのは、得意そうな顔をしているエリーゼ。クリーム色の髪を三つ編みにして、使い古した三角巾を巻き、ところどころ黒ずんだエプロンをつけています。ここだけの話、エリーゼは肌のみずみずしさから爪のつやまで、人間そっくりに作られた人形なのです。掃除も料理も洗濯も、なんでもカンペキにこなすおてつだい人形として、一流人形作家のヨハンに作られました。
「ヨハン、アップルパイができたよ!」
 仕事部屋にひびく元気な声。ヨハンは作りかけの小さな人形とにらめっこしていました。まだ腕が作られていない人形とはなんとも不気味なものですが、もうしばらくすればおとぎ話にでてくるお姫さまのようになるのでしょうね。
「あぁ、もうおやつの時間だったのか……。」
 白い縞シャツと古ぼけたロケットペンダントを身につけたヨハンは、ガラスのような金髪をもち、おまけにきれいな顔立ちをしています。その昔、歩けばだれもがふりむく美人とむつまじい仲であったことも納得ですね。
「エリーゼのアップルパイは大好きさ。毎日のおやつがアップルパイでも文句はないくらい。仕事でにぶった集中力ももどってくるからさ。」
 ヨハンはアップルパイの一切れを口に入れると、美味しさのあまり目を細めます。長く単調な作業にうんざりした頭がさえてきます。
「それじゃあ、明日もあさってもアップルパイでいいよね!」
「もちろん。たのんだよ、エリーゼ。」
 ドキドキしていたエリーゼは、握った両手をあごにあててにっこりしました。
 ところが半分だけ食べたところで、ヨハンは大切なことを思いだしたかのようにくもった顔になり、こう聞きました。
「エリーゼは食べなくていいのかい?」
「うん。わたし人形だし、食べなくても平気。」
 ヨハンはますます表情をくもらせます。ごちそうを一人占めしているみたいで、ヨハンは心からアップルパイを楽しむことができないのです
「でも、おいしいものは食べたいだろ?」
「それは、そうだけど……。」。
「そうだろ。せっかくだからエリーゼも食べなよ!」
 ヨハンはエリーゼの手にアップルパイをにぎらせました。
「まさか、おいしくなかったの?」
 食べかけのアップルパイに視線を落とすエリーゼ。
「そんなことないよ。」
 するとヨハンは、話しかけるスキもないくらいの集中力で、小さな人形の腕の部分を作りはじめるのでした。どうすることもできないエリーゼは、うつむきながらその場を後にします。



 バルコニーの手すりにひじをのせたエリーゼは、ちょうちょうがおどる野原をぼんやりとながめています。ヨハンは、仕事に集中できるからと、この静かな野原に家をたてました。そのおかげで、なやみがあるときはこのバルコニーで休むことができます。
(どうして食べなかったのかな?)
 はぁ、とエリーゼはため息をつきました。
 エリーゼはおてつだい人形です。生まれたときは心をもっていませんでした。ヨハンから言われたことをこなすだけの、無表情な人形でした。
 それが、いつからでしょうか。エリーゼが近くの町まで買い物に行けば、子どもたちが遊んでほしいとせがむほどの人気者になりました。ヨハンに作られたおてつだい人形だと告白しても、絶対信じてもらえないほど愛想がいいですからね。それに、かわいらしくまばたきをするので、夢中になった男たちからたくさんのラブレターをもらったりもしました。
 しかしエリーゼが夢中になっている人は、ほかでもないヨハンだけです。
 おてつだいするために生まれてきたエリーゼは、いつしかヨハンに喜んでもらうためにおてつだいするようになりました。もっと、もっと好きになってもらいたいからと、プレゼントをあげることもしばしばありました。でもヨハンに想いがとどくまでには、まだまだ時間がかかるみたいです。
(ヨハンがもらってうれしいものって、なんだろう?)
 こうやって考えごとをすればするほど、心が豊かになるような気がしました。



 それから何日かたちました。
 お昼になっても、ヨハンはあいかわらず人形作りに熱中しています。人形はだいぶ人間らしく、女の子らしくなっています。ヨハンは、ときどき目をつむって動かなくなっては、ハッと目を開くことをくりかえしているようです。
「つかれているね、ヨハン。これ飲んで元気だして!」
 ふいと目の前でティーカップがおかれました。色あざやかな紅茶は、甘いハチミツのように上品な香りです。
「高そうな紅茶だ。」
 ヨハンはおもむろに、きらきらと瞳を輝かせるエリーゼを見上げました。
「そうだよ!となり町まで行って買ったんだ!」
 とても弾んだ声です。
「エリーゼがとなり町に行くなんて初めてじゃないか?」
「そのとおり!ヨハンに素敵なプレゼントを買ってあげたかったから、何時間もかけて行ったんだよ!」
 エリーゼがうれしそうに身体をゆするのを見ているだけでも、ヨハンは仕事のつかれがとれるように感じました。
「そうか。じゃあ、仕事しながら飲むのはもうしわけないね。これはゆうがなムードのなかで、ゆっくりと飲むべきものだろう。エリーゼが先に飲みなよ。もう今日の分の仕事はおわったんだからさ。」
 エリーゼはしょんぼりとしました。風船から空気がぬけるように、身体に満ちていたエネルギーがなくなってしまったのです。そして、ムッとふくれました。
「どうしてわたしなんかに気をつかうの?わたし、ヨハンのおてつだい人形なんだよ。」
「どうしてって言われても。エリーゼにはしあわせになってもらいたいから、かな。」
「……本気なの?」
 思わずエリーゼが聞きました。
「じょうだんでこんなこと言ったら、失礼でしょ。」
 とたんにエリーゼは、わきめもふらずに部屋の外へ走りだしました。ものすごい勢いでドアを閉めると、顔中赤く染まったエリーゼは、胸に手をあてて気持ちをおちつかせようとしていました。
「……軽々しく言うもんじゃないな。」
 いすでうなだれたヨハンのひとりごとは、エリーゼにとどきませんでした。



 またまた数日がすぎました。
 ヨハンはいすにもたれかかって仮眠をとっていました。作りかけの人形は、色さえ塗ればできあがりと言ったところでしょうか。
「ねえ、ヨハン。プレゼントがあるの。」
 重い頭をもちあげて、眠いまぶたをこすって、ヨハンは背のびをします。エリーゼはたたまれたテールコートのかげにかくれて、上目づかいになっていました。
「うわっ、すごいおしゃれな洋服だね!もしかしてエリーゼが作ってくれたのかい?」
 何も言わずにうなずくエリーゼ。借りてきたネコのようになっています。
「さいきん外にでてないからなぁ。ぜひともこれを着て歩いてみたいんだけど。」
 受けとったテールコートを念入りに調べると、細やかなできばえに感心するのでした。
「ねぇ、ヨハン。その……、こんどわたしといっしょにレストランに行かない?おいしいパスタのレストラン、知ってるんだ。」
 食事にさそうことがこれほど勇気がいるなんて。まどの外を見たり、ゆかを見おろしたり、エリーゼはきょろきょろとしています。
「それいいね!よし、じゃあ仕事がおわったら二人で行こう。色を塗ればもうこの人形は完成するからさ。」
 ぱーっとエリーゼの表情は明るくなりました。
「やった!わたし、いつでも行けるように準備して待っているからね!」
「ははっ、気が早いな。仕事をはやくおわらせなきゃいけない理由が一つふえたな。」
 ヨハンはせをのばすことで、仕事のやる気をふりしぼろうとします。
「あ……!」
 プツン、と音をたててヨハンのロケットペンダントが落ちました。それはすぐ足元で転がったので、見失うはずがありませんが、ヨハンは命を拾うかのように飛びつきました。
「ふぅ。まあ、けっこう古いペンダントだからな。ムリもないか。すまないエリーゼ。レストランに行くのは、仕事と、これの修理がおわってからにしよう。」
 エリーゼはけげんな顔でこうたずねます。
「そんなに大事なものなの?ただのアクセサリーじゃない。」
 かすかにヨハンは悲しそうな表情をみせます。
「たしかに、きみにとってはただのアクセサリーだろうね。でもぼくにとっては、かけがえのない宝物のようなんだ。」
 ヨハンは頭をかきむしってから、大急ぎで人形の色塗りをはじめました。
「そうなんだ。……はやくおわらせてね。待っているから。」
 とぼとぼと歩きだしたエリーゼは、古ぼけたロケットペンダントのことがにくたらしくて、激しく手をふるわせました。
(あのペンダントはいつもヨハンといっしょ。洗濯も料理も、プレゼントを作ることだってできないクセに。わたし、あのペンダントきらい。人間は、なんのへんてつもないペンダントをきらったりするのかな?でもヨハンは、あのペンダントが大好きみたい。ふん、わたしだったら、あんなのよりももっと良いペンダントを作れるのにな。……そうだ!)
 ふと立ち止まったエリーゼは立ち止まったと思うと、ものすごい勢いでとなり町まで走りだしました。



 月が天高くのぼった夜のこと。エリーゼはしのび足で仕事部屋に入りました。仕事続きでつかれがたまっているヨハンは、ロケットペンダントを直すことに苦労しているらしく、それをつかんだまま机にふしています。
「ヨハン、起きて。渡したいものがあるの。」
 エリーゼはヨハンをゆさぶりながら声をかけましたが、ヨハンは大きくあくびをしただけで、カクッと深い眠りにおちてしまいました。
「目をさましてよ!ヨハン!」
 エリーゼに白いほっぺをペチペチと叩かれたので、ヨハンはいやそうに首をふりました。そしてむくれっつらになりながらも、エリーゼのことだからしかたないとがまんして、おさえた口調でこう言います。
「こんな時間になんだってんだよ?」
 とっさにエリーゼが手作りの新しいペンダントをエプロンのポケットからとりだしました。かなりていねいに作られたペンダントで、アクアマリンとシルバーで愛らしい人形がかたどられています。
「これ、作ったんだ!ヨハンにもらってほしいの!」
 手作りのペンダントを手に取ったヨハンは、エリーゼの苦労にむくいるかのように、すみからすみまで目を通しました。
「うーん、アクアマリンやシルバーを買うにはたくさんのお金が必要だし、買えたとしてもハンパな努力や技術ではペンダントを作れるはずがない。だからエリーゼの気持ちはありがたいよ。」
 ヨハンが言葉を重ねるごとに、エリーゼの口に笑いがうかんできました。
「でも……、もうしわけないけど、これだけは受けとれないんだ。ぼくはこっちのロケットペンダントじゃないと、どうしてもダメなんだ。」
 言葉の最後が消えるようになったせいで、部屋は重く、ピリピリとした空気になってしまいます。
「なんでそんなに、ただのロケットペンダントにこだわるの?」
 エリーゼがかなしみ、おこっていることが、表情で見てとれます。
「わたしがどれだけ苦労してこれを作ったのか分かるなら、だまって受けとってよ!掃除も料理も洗濯もなんだってできるこのわたしよりも、つんとしてばかりのロケットペンダントの方がいいわけないでしょ!わたしもペンダントもヨハンの物だけど、わたしは心をもっているんだよ!」
 ヨハンはたじろぎました。これ以上エリーゼをきずつけないようにあれこれと考えましたが、かろうじてでてきた言葉がこれでした。
「本当にもうしわけない。でも、ダメなんだ。わけは……話せないけど、エリーゼがただの人形だとみなしたことなんて一度もない。分かってくれ。」
「分かってくれ?何を?話さなければ、何も分かるはずないでしょ!」
 冷静になってからふりかえるなら、今まで一番、自分が感情的になった瞬間だとエリーゼはとまどうでしょう。一方のヨハンは、やはりエリーゼに人の心を理解するのはまだまだ難しいことだなと、胸がえぐられるようでした。
 氷のように止まった時間の末、ようやっと口を開いたのはヨハンでした。
「とにかく、ダメなんだ。食事の約束はまもる。もう少しだけ、待っててくれ。」
 そう言い残して、ベッドに向かったヨハンがドアを閉めたとき、エリーゼはこらえきれずに涙をこぼしました。初めてのことに怖くなって、涙をぬぐった指先を確かめると、ますます涙をこぼしました。泣きながらもエリーゼは、何ごともなかったかのように光っているロケットペンダントを、野放しにはできませんでした。
(ヨハンに好きになってほしいから、ここまで人間っぽくなれたのに……。ズルすぎるよ!)
 次の瞬間、ロケットペンダントはゆかに投げつけられました。それは、音をたてたかどうかさえ聞きとれないほど、あっけなくこなごなになったのです。



(……あれ?わたしはヨハンと写真とったことないのに。)
 たくさんの破片の中央に、色あせた写真がありました。まんめんの笑みをうかべるヨハンと、エリーゼにそっくりな女性が映っています。
 写真をひろったエリーゼは、女性の美しさに息をのみました。ゆるやかな線をえがく金髪に映える赤のカチューシャ、ふわりとした花模様のフリルドレス、鏡のようにみがかれたエナメルの靴、そして真新しいロケットペンダント。写真をひっくりかえすと、小さな文字が書かれていました。エリーゼが生まれる以前の年であることをしめす日付とともに、『天国のエルザへ。いつもそばに』と、ヨハンの字で。
(ヨハンのガールフレンド、かな?ヨハンにガールフレンドがいたなんて。……そうか!)
 その時、ヨハンが言いたかったことが、なんとなく分かった気がしました!つめたいシャワーをあびたように高ぶった感情がしずまり、かわりに強い自信がみなぎってきます。
 とめどなく涙をながしていた目をこすると、散らばった破片を一つ残らず集めました。



「あれ、直ってる?」
 一晩中ぐっすりと眠ったヨハンは、今日こそ修理をおわらせてやろうとはりきっていましたが、その必要はありませんでした。ぽかんと口をあけたヨハンが、机におかれていたロケットペンダントを開くと、やっぱり亡くなったガールフレンド、エルザの写真があります。
「エリーゼ、ちょっと来てくれないか!」
 このように呼べばエリーゼは矢のようにかけつけてくれます。しかし今日はめずらしく、エリーゼはうとうとしながらやってきました。
「このロケットペンダントさ、いつのまにか直っていたんだよ。一晩で。こんなたいそれたこと、エリーゼにしかできないよね?」
「わたし?やってないよ。物を作るのはヨハンの方がはやくてうまいじゃん。わたし、見たよ。ヨハンがいびきをかきながら、ロケットペンダントを直していたところを。」
「はぁ、そうなのかい?」
 ヨハンは首をかしげます。
「まあ、おてつだい人形に心が芽生える世の中だから、人形作家がねぼけながら作業をするくらい、あってもおかしくない、かな……。」
 そうしてヨハンは、おもいでのロケットペンダントを身につけます。おちついた深いため息。ヨハンの子どもっぽい素顔が、ひさしぶりに表にでてきました。
「一件落着、だな。さあ、待たせたね。今日こそ約束通りレストランに行こう!」
 ついに果たされるこの約束の日を、どれほど心待ちにしたことでしょうか!ですがエリーゼは、なぜかかしこまって打ち明けました。
「えっと、その、ごめんなさい。わたしから約束したのに断るなんて、ひどい話なのはわたしでも分かるよ。でもね、今のわたしと食事にしても、ヨハンは心から楽しめないと思うの。だから、何日かだけ先にのばしてくれないかな?」
「え?そうかな?ぼくが楽しめないってことはないはずだけど。」
 ヨハンはきょとんとしました。
「ふむ、それなら今週の日曜日にしようか。エリーゼがそれでいいなら。」
「ありがとう!最高のプレゼントを用意してみせるからね!」
 それだけ言ったエリーゼは、スキップするような軽い足取りで買い物にでかけました。家から飛びだし、ヨハンが窓からこちらを見ることができない位置で止まると、エプロンのポケットから写し絵をとりだしました。
 そうです、写真に映っていたエルザの写し絵です。ロケットペンダントを修理していたときにこっそり写したのです。ぼろぼろの三角巾とよれよれのエプロンを着た女の子といっしょにレストランに行っても、痛ましくて食事どころじゃありませんからね。
 これからは、ヨハンのことだけじゃなくて、自分の幸せについても考えてみることにしたのです。まだまだ人間の心について分からないことだらけのエリーゼですが、人が人の幸せを祈ることこそ、好きになるということだと気づいたのでしょう。



 仕事のない日曜日はしばらくぶりだな。エリーゼからプレゼントされた紅茶をふくみながら、ヨハンはバルコニーで夕陽をながめていました。手作りのテールコートをはおったヨハンの首元には、もちろんロケットペンダントが光っています。
「おまたせ!ちょっと着がえに手間どっちゃった!」
 バタン、とドアを開いたエリーゼが早口でいいました。
「エ……、エリーゼ!その服はもう燃やしてしまったはずなのに……!」
 ヨハンはもうすこしでイスごと倒れるところでした。幽霊に出くわしてしまったかのように絶句したまま、ヨハンはエリーゼに見入ります。
 ゆるい曲線の金髪を飾るかわいらしい赤のカチューシャ、花模様の白いフリルドレス、まばゆくて黒いエナメルの靴。そして、捨てるつもりだった手作りのペンダントがつけられています。ロケットペンダントにおさめられた、エルザのすがたそのものでした。
「どう?エルザみたいでしょ。」
 すっかり力がぬけてしまったヨハンの片手をエリーゼはとります。二の句がつげないヨハンとしばらく見つめ合っていましたが、やがて口元をつりあげたヨハンの方からこう言いました。
「ははん、わかったぞ。さてはロケットペンダントを直すときに写真を見たな。かくしていたのに。」
「エルザそっくりにわたしを作ったなら、どうしてかくす必要があったの?」
「それは……。」
 ふいにヨハンが、悲しみにくれたようにうつむきました。
「エリーゼにありのままでいてほしかったからなんだ。エルザのようになってほしいと言えば、きみはムリしてでもぼくの言うことを聞くだろうし。だってさ、昔のガールフレンドとおなじにされたらイヤだろ?」
「へぇー。人間ってそんなふうに考えるんだ。やきもちってやつ?でもわたし、昔のガールフレンドとおなじにされてもへっちゃらだよ。ヨハンに喜んでほしかったから、お手本としてエルザのまねをしただけだもん。おしゃれすることなんて初めてだから、にあってるかどうか分からないけど……。」
 バラ色にそめたエリーゼのほおを、ヨハンの片手がそっとなでます。そのまま手は白い首すじをつたい、エリーゼは抱き寄せられたので、ヨハンと息がふれあうほど近くになりました。
「逆に聞くけど、おしゃれして、お姫さまみたいになった気分はどうだい?」
 低く、甘いささやき声でした。
「うん。幸せだよ。」
「そっか。それなら、ぼくも幸せだよ。」
 夕陽に彩られたヨハンのほほ笑みは、あの色あせた写真にもひけをとらないほど美しいものでした。自然とエリーゼも、心から幸せそうに笑っていました。



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